私は40歳手前のいい大人です。
大学を卒業してから営業の仕事をしています。
吃音を意識しだしたのは大学2年生からが始まり。
途中、死にたいくらい辛い時、苦しい時期も沢山ありました。
今現在も吃音は完全には治っていないけど、それでも私は・・・
なんとか毎日楽しく生きています!
私の体験談ではありますが、この記事であなたの心が少しでも軽くなれば幸いです・・・
吃音が大人になってからなっちゃった
20歳までは普通に話しができたのに、なぜ自分は吃音になってしまったのだろう?当初はそんな思いでした。
きっかけ
私が最初に吃音を意識しだしたのは大学2年生の時でした。
きっかけはアルバイトでした。当時、本屋さんでアルバイトをしていました。
17時から0時まで週3日を約2年間。
私が吃音を意識し始めたのは本屋さんでのアルバイトがきっかけでした。
『おはようございます』
『ありがとうございました』
この2つの言葉だけ急に言いづらくなってきたのです。最初はそんなに気にしていなかったのですが、途中から意識するようになってきたのです。
『ありがとうござました。』がとくに言いづらかったですね。
ご承知の通り、本を買っていただいたお客様に必ず言う言葉です。
『おはようございます』は、そこの社長が来たら必ず言います。
この2つの言葉を意識し始めてから、のちに気にならなくなった30歳手前まで続きます。
名前が言えない
一般的に吃音のきっかけは、自分の名前や勤め先の会社名が始まりの人がとても多いそうです。※次章にて詳しくお話しますね※
私自身30歳過ぎから自分の名前や勤め先の会社名が言えなくなるなんて考えもしませんでした。
自分の名前と会社名が言えなくなったキッカケは今の会社の前の会社での仕事が飛び込み営業だったんです。
そのときにだんだんと言えなくなってしまいました。
私自身、この時期が1番辛かったわけですが・・・まあ、なんとかなるもんです。
今現在の私の状態
今現在の私は努力の甲斐もあって、
『自分の名前だけが緊張すると言いづらくなる』
が気になる程度にまでに回復しました。
では次章にて、吃音になってしまった原因について思うことをお話していきますね。
志乃ちゃんは自分の名前が言えない [ 押見修造 ] |
余談ですが、漫画のご紹介。この漫画は凄く共感したし、自分と同じ思いをしている人は自分だけじゃなかった!と涙した作品でした。
吃音が大人になってから 私なりに原因を考えてみた
吃音になった当時は、原因なんて考える余裕もなく、1日1日がどうしよう・・・の連続でした。
現在になって、ようやく気持ちの余裕が出てきたのもあり、体験談を記事にしよう!という気持ちにもなれたのです。
吃音の原因について
もともと普通に話ができていたのに大人になってから、人それぞれに何らかのキッカケがあって吃音を意識し始めるようになってしまう。
その原因を一言で言えば、
心の状態
だと強く感じます。
吃音を意識するか意識しないか、
この心の意識の状態ではないでしょうか。
吃音を意識してしまう過程
私が思うに、吃音を意識してしまう過程は次のような過程かなと思うんですね。
強制的にその言葉を言わなければいけない環境が続く
↓
特定の言葉がうまく言えなかったことがある
↓
言えなかったことが続き、その言葉に対しての苦手意識が出てくる
↓
自覚として意識し始めることで吃音が芽生え始める
自分の場合はこんな流れで吃音を意識していきました。
アルバイトでは
『ありがとうございました』『おはようございます』
を、緊張した状態で言わなければいけなかったのが意識を生んだのかなと・・・
バイト先の社長も怖い人だったし(笑)緊張したし・・・
社会人での仕事では
自分の名前と会社の名前が言えなくなったのも、飛び込み営業という過度に緊張した状態で玄関先やインターフォン越しに
『会社名と名前』
を言わなければいけない状態が続いたことが苦手意識を生んでしまったのです。
緊張が続いた状態で特定の言葉を言い続け、
その言葉をどもってしまった体験を何度も経験してしまうと、
苦手意識より吃音が発生する。
自分の経験から言えば吃音になる課程をそう説明します。
次に、吃音になってしまった場合に気をつけなければいけなかったことについてお話します。
予行練習は吃音を強化する
割と長く吃音状態を経験した人なら『わかる!』って理解してくれると思うのですが、
例えば1週間後に自己紹介を含めたお客様向けのプレゼンテーションがあったとします。
そんな時は、自己紹介の失敗をしたくないが為に、自宅で何度も何度も練習をするんです。
『○○会社の△△と申します。よろしくお願いします。』
をそれはもう、鏡を見ながらだとか、深呼吸をしてからだとか、ありとあらゆる雰囲気や感じで練習をするんです。
そして、いざ本番になったときに、練習をしたことで失敗は絶対にしないぞ!という余計な緊張がプラスされてしまい、
結果的にどもってしまったりすると、練習した成果が出せず落ち込んでしまい、さらに練習をして・・・と
失敗体験を繰り返すこと
に結果的に繋がってしまい、特定の言葉に対しての苦手意識がどんどん深くなっていってしまうのです。
人と会ったり、電話をするのが怖くなってくる
自分の名前が言えないと、仕事中、社内で電話をすることが怖くなってきます。全ては、
会社の人の前でどもってしまったらどうしよう、というプレッシャー
がそうさせるのです。私自身、吃音に悩んでいた最悪の全盛期の時は、死にたいとかの負のこと、マイナスなことばかり考えていました。
でもね・・・
なんとかしなければ・・・
なにか良い方法はないものだろうか?
と考えながら生きていました。今までに自分が行ってきた改善策を次の章でお話していきますね。
吃音が大人になってから 私が実戦した仕事での改善策いろいろ
今から実戦してきた改善策をいろいろとお話しています。
本当は実践ですが、私の中では実戦・・・戦いくらいの気持ちでした(笑)
最終的には忘れること
まず改善策をお話する前に、吃音を気にしない1番の方法は忘れることです。正確に言うと自分の記憶には残っていますが、
気にならなくなっていた
という状態に心を戻すことです。
車の運転を思い出して欲しいのですが、自動車学校で産まれて初めて運転したあとって、すごーーーく疲れた!という思い出が残っていませんか?
そして運転免許をとって、実生活で運転をし出してからは、場合によっては居眠り運転をしてしまうくらい、いつの間にか
車の運転をするという行為
が気にならなくなって、とくに運転をするぞ!と考えなくても、なんとなく無意識な感覚でも運転ができるようになります。
吃音も同じことだなって思うんですよ。昔、普通に話せたときはその言葉を発言することに対して意識なんてしないでしょう。
なにも考えなくても自分の名前が言えたはずです。
つまり逆の発想で、吃音に対する意識を薄くしていけばいいのだろうなと、途中から気付いたわけです。前置きが長くなりましたが大切だと感じていることなのでお話させていただきました。
それでは実践してきた改善策をお話していきます。
苦手言葉の前に別の言葉を入れる
私の体験談でお話ししていきますね。
『ありがとうございました』が苦手になって『あ、あ、あ、ありあり・・』となってしまうのですが最初に思いついたのが、
苦手言葉の前に別の言葉を入れることにしてみました。
『どうも・ありがとうございました』
と、どうもを先につけることにしました。『どうも』以外にも『はい!』を使ったりしました。『はい!』はリズム感があってそのまま、ありがとうございました!って言いやすくなりました。
最初の言葉をごまかす
『おはようございます』の苦手意識が社会人になってからも続いていた私は、最初の言葉をごまかすことを思いつきました。
『っはようございます~』『っ~~ようございま~す』といった感じでごまかしました(笑)
続けていくうちにいつの間にか『おはようございます』が気にならなくなっていた自分がいました。
とにかくゆっくり話すことを心がける
慌てると言葉に詰まってしまうことが多かった私は、ゆっくり話すように心がけるようにしました。
とにかく深呼吸をたくさんして、気持ちを落ち着けるように心がけました。
苦手な言葉は人それぞれでしょうが、効果を感じることができる言葉もあるのではないでしょうか。
電話での改善策(営業の方向け)
最初にお伝えしましたが私は営業の仕事をずっとしています。自分の名前や勤務先の会社名が言えなくなったのは、営業の仕事の途中からです。
しかしながら、営業という仕事のおかげで吃音中でも、なんとか乗り切れたことが多かったんですよ。それは1人になれる時間が多かったからです。
自分の名前が言えなかった時は、仕事の電話は殆ど営業車の中で携帯から掛けていました。会社の専用携帯も持っていたのですが、電話料金のことを考えて、本来であれば会社で電話をしているなと思った電話は全てプライベートの携帯から掛けていました。
しかも184をつけて(笑)※184を電話番号の先頭につけると非通知で掛けることができるので相手先に番号が分かりません※
1人の時間は、会社の人たちに自分が電話をしている姿が分からないので、
失敗しても大丈夫という安心感を生むことができました。
184で掛けているので最初に会社名や名前が言えなくても『間違えました』と途中で切ってしまえばいいので電話をする気楽さがありました。
吃音を根本的に改善するというよりは応急処置的な方法かもしれませんが、これで私はかなり救われましたね。
電話での改善策(事務職の方向け)
どうしても事務所から電話をしなければいけない場合もありました。自分がたまたま席を離れていたときにお客さんから電話があって、
『誰々さんから会社まで電話欲しいってさ』
と事務員さんから言われたときは、わざわざ外に出て電話をすることが難しい場合があります。それをすると不自然に思われてしまうので。
そんな時に実践し、私自身とても効果を感じた方法です。それは・・・
文章を読むような感覚で話す
ということを行いました。自分が吃音でも本を読むのは普通に読めるって人、実は多いんですよ。
本を読むときは、いちいち文章文章を意識しながら読んでいられないのが理由です。
その文章をどう自然に読むかというと、
まず電話の前に、自分宛のどこかの取引先の方からのメールを開きます。そうすると、
v自分が勤務する会社名
v自分の名前
○○商事株式会社 △△様
といったお決まり文が最初に出ていますよね。その文を読むことに集中し、本を読む感覚で話すんです。
私としてはこの方法はかなりの効果がありました。最初電話の前に深呼吸を数回して、気持ちを落ち着けるように意識をしてから掛けました。
携帯電話は最強の味方
とにかく私は携帯電話に救われました。携帯同士だと相手がこちらの番号を登録していれば、相手は自分だと認識してくれているので、携帯から携帯に掛けているときは、一切どもることはありませんでした。
相手は私からの電話だと理解している
この安心感が心にある状態だと、場所が社内であろうが何処であろうと、安心して話をすることができました。本当便利な世の中になったものです(笑)
営業職で吃音の私は、携帯のことが頼もしくて仕方がありませんでした。
外で掛けられる、相手が自分だと理解してくれている。携帯は私の安心感を得るのにピッタリの相棒でした。
FAXとメールを多用する
FAX・メールでは最後の文に、
日中不在が多いのでご不明な点があれば下記携帯まで直接ご連絡ください。
というふうに記載しました。そうすることで、こちらから電話を掛けるという行為を減らすことができるからです。
人と会うときは意外と安心
営業で初対面の人と会うのは意外と安心していました。私にはとても強い味方がいるからです。
v名刺
v会社のネームプレート
この2つの存在は本当に助けられました。もしあなた自身、会社のネームプレートが支給されていないのでしたら100均に売っている名前下げを買って、
名刺を両面に入れて(風などでどっちの面でも分かるように)つねにぶら下げておくと便利ですよ。
名刺の場合は自分の名前が書いてあるので相手は私の名前を理解しているという安心感があるので名刺を見せながらだと名前はスムーズに言えます。
実際に人とあって会話をする場面で、知らない人にいきなり名前を聞かれたときでもネームプレートを見せながら名前が言えたのでその場面場面を切り抜けられました。
時には告白をしましょう
もし初めて会う人であったり、自己紹介をしなければいけない場面があったときは、最初に告白をしてしまうことです。
『自己紹介の前に、実は私、人前で話すのと極度に緊張してしまって言葉につまってしまうんです。でも頑張って自己紹介します。』
と明るく最初に告白してしまうんです。もちろん『吃音やどもり』という言葉を使う必要はありません。
最初に告白してしまうことによって失敗しても許されるという気持ちが出てきてスムーズに自己紹介をすることができた経験がありました。
ある人との出会いで衝撃を受けた
仕事でのこと。取引先で新しい担当の人と会うことがありました。その人は極度の吃音の方でした。大人になってからというのではなく、身体的問題で幼少時からだとのことでした。
その人と一緒にお客様のところへ商品PRをすることになったのですが、その人は実に堂々としていました。たくさんどもっていても気にせずに、お客様に対しても、慌てずゆっくりと話しをしていました。
その姿に私は感動すら覚えていたのでした。
私自身、吃音で悩んでいることをその人に告白すると、その人からこんな話をしてもらい、とても励まされました。その内容は、
『他人は自分が思っているほど人のことを気にしていないよ。僕の話していることは、どもりながらでもお客様にはなんとか伝えられるし、
お客様からどもりが酷いですね、とは言われたことは殆どないよ。たまに心無い人から言われても、【明るさを忘れずに、なんとか頑張っていますよ。】
って言うようにしているし、人の傷と思われる部分を、気にしないで言う人は無神経な人だという判断基準にもなるし。笑笑』
と、笑顔がとても素敵な人で、今でも時々一緒にお仕事をさせてもらうことがあります。この人との出会いによって肩の力がかなり抜けました。
命までとられるわけじゃないし、別に人前でどもっても堂々としなきゃね!という、気持ち・勇気を私に与えてくれたのでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。自分の体験談ではありますが、吃音についてお話しさせていただきました。
いろんな対策を続けることで人と話をすることに対しての慣れが戻ってきました。昔に言えなかった
・ありがとうございました
・おはようございます
・勤務先の会社名
は、今では気にすることはなくなりました。現在『自分の名前』だけ、緊張が重なって強くなったときに、言いにくくなるくらいまでに元の状態に戻りました。とにかく、気にしないように意識すること、むやみやたらに落ち込まないことが大切です。
最後に私が大切に心掛けていることをお話します。
とにかくリラックスを心がける
リラックスしていると吃音状態が激減します。緊張=吃音と言っても過言ではないくらいに思っています。
最近では、リラックスするために、呼吸法とか瞑想とか、とにかく気持ちを落ち着かせる訓練を意識して行っています。
リラックス=安心感でもあるので、とにかくリラックスリラックスなんですよ。
言葉にとらわれてはいけない・・・心の安定にとらわれろ!
と某名言の真似をしてみました(笑)
気持ちを落ち着かせること、自分に自信をつけていくこと、をたくさん心がけていくといいですね。
さいごに・・・
人の性格と同じで吃音も人それぞれ・・・軽率に言えないけど・・・言えないけどっ!!
この記事を読んで少しでも
vあなたの心が軽くなってくれたのなら
v改善のお役にたてたのなら
私もとても嬉しいです。
頑張らずに肩の力を抜いて生活していきましょうね。ゆっくりと、ゆっくりと・・・
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