ある日のこと・・・子供に言われました。
節分の豆まきで、何でみんな鬼をやっつけるの?鬼が何か悪いことでもしたの?かわいそうだよ!いじめだよ!絵本の中には良い鬼さんだっているんだよ!
正直言葉に詰まりました。そんなこと考えたこともなかったけど、確かに鬼が一体何をしたんだろう?【鬼のパンツ】に出てくる鬼たちは明るいイメージがあるし。一方的に鬼は外!福は内と豆をぶつけてやっつけるのは確かにいじめかもしれない・・・
そう思ったからでした
そんな場合、なんて答えたら子供は納得してもらえるのだろうか?そんな疑問にお答えします!
節分での鬼の役割とは?
この章ではまず鬼の役割についてお伝えします。
鬼にも5色の鬼がいまして、色によって鬼の意味というか役割が違ってきます。
赤鬼
全ての悪心の象徴といわれ、豆をぶつけることで自分の中の悪い心が取り去られます。
青鬼
怒りを表し、人の価値は徳を積むことである。貧相な自分に豆をぶつけ福相や福徳を願います。
黄鬼
我がままにとらわれず公平なる判断が常にできる心を願い豆をぶつけます。
緑鬼
不摂生の自分に対して、体を健康に保つことを自分自身に言い聞かせながら豆をぶつけます。
黒鬼
愚痴を意味し、自分に対して、体を健康に保つことを願い自分自身に言い聞かせながら豆をぶつけます。
節分での鬼の意味とは?
節分で鬼が登場する意味とは、昔からの行事の伝わり方によるものでした。
節分とは
立春、立夏、立秋、立冬と季節の改まる前日のことを意味しましたが、いつの間にか立春の前日だけを節分というようになりました。昔の中国では大晦日に、邪鬼や疫病などを打ち払うため、鬼の面をかぶった人を桃の木で作った弓矢で射って追い払う、
追儺(ついな)
という行事があり、これが奈良時代に日本に伝わりました。
平安時代には宮中での大晦日の行事として、盛んに行われるようになったのです。豆まきとしての行事が定着したのは室町時代頃のことで、江戸時代頃から、現在のような豆まきの行事が一般庶民の間に広まりました。本来は大晦日の行事でしたが、旧暦では新年が春からが始まりだったため、立春前日の節分の行事に変わっていったのです。
「鬼は外、福は内」
と豆をまくのは、季節の変わり目は、鬼などの妖怪や悪霊が集まり疫病や災いをもたらすと考えられていたためです。豆をまくことによって、自分の家から鬼(災い)を打ち払おうとしたのです。昔の人が鬼を疫病や災いの象徴であるという考えから節分で鬼が登場するようになったのでしょう。
節分での鬼のことを説明しよう!
昔話にこんな話がありますので、豆を使うようになったことを昔話で話してみるのもいいかもしれません。
むかしむかし、京都の鞍馬山というところに鬼が住んでいました。鬼は悪さを繰り返し、それによって人々は苦しい思いをしていました。ある時、七福神のひとりである毘沙門天が現れました。毘沙門天は三石三斗(約600L)の豆を鬼の目を目掛けて投げるように言い残したのです。魔の宿る鬼の目、つまり「魔目(まめ)」めがけて豆を投げれば「魔滅(まめ)」に繋がるのだとの言い伝えだそうです。
むかしむかし、節分という行事がありました。むかしは豆まきはせずに神様のところにお参りに行くだけでした。そんな中、お参りに行く人々を食べてしまう鬼がいたのです。神様は鬼に言いました。『なぜ、お参りに行く人を食べてしまうのだ?』鬼は答えました。「人を食べないと力が出ません。」そこで神様は鬼に豆を渡し、『この豆をうまく育てることができたら人を食べても良い。しかし、育てることができなければ人を食べるのを止めなさい。』と言いました。「豆を育てるくらい簡単だ!」と鬼は思い早速、畑を耕し豆を育てることになりました。ところがこの豆は炒豆なので芽を出すことはありませんでした。そして、とうとう鬼は神様に降参しました。「約束どおり人を食べるは止めます。しかし、死に人だけは食べさせてください。」『よかろう。ただし、疲れただけの人は食べてはダメだ。』こうして鬼に食べられる人は死に人だけとなりました。
そんな、むかし話もあったそうです。
まとめ
節分に鬼が登場するようになったのは、むかしから伝わってきた行事の移り変わりによってなのです。豆を使うようになったのも、まだまだ諸説はあるかと思いますね。人々の健康や安心して暮らせる生活を祈る昔の人たちの願いが節分という行事にも込められているのですね。
そう考えると鬼は悪役を引き受けてくれる大切な存在という意味でもあります。
自分たちに悪いことが起きないように、鬼が全て引き受けてくれるんだよ。
昔ばなしをしながら鬼が登場してくれるから健康でいられるんだよ。
という説明のしかたも子供にとっては記憶に残るかもしれませんね。節分という行事はこれからも大切に考えていこうと私自身も心に刻みました。