自律訓練法は、ドイツの精神科医フーゴ・パウル・フリードリヒ・シュルツによって創始された自己催眠法・リラクゼーション技法です。
ストレス緩和・心身症・ 神経症
などに効果があるとされています。85年以上の歴史があり私自身、今でも毎日行っており、すばらしい訓練法だと確信しています。
実際に自立訓練法を行ってはいるが、いまいちコツが分からない。どうしても力が入ってしまったり集中できなかったり自分にはこの訓練法は向いていないんじゃないか?とお考えのあなた。私自身の体験談を元に自分なりに工夫したことをまとめました。ご参考になれば幸いです。
自立訓練法のコツが分からない!?
ご存知の通り標準訓練法では7つの公式を行っていきます。
背景公式 気持ちがとっても落ち着いている~
第1公式 手足がとっても重た~い(右腕⇒左腕⇒右脚⇒左脚⇒両腕⇒両脚⇒両手両脚)
第2公式 手足がとっても温か~い(右腕⇒左腕⇒右脚⇒左脚⇒両腕⇒両脚⇒両手両脚)
第3公式 心臓が静か~に脈打っている~
第4公式 呼吸がとっても楽だ~
第5公式 お腹がとっても暖か~い
第6公式 額がとっても涼し~い
終了後は消去動作を行う
◆訓練を行う上での注意点
①環境(行う場所など)を整える
②最大でも1回5分までにし、1日に2~4回程度が適量である
③心臓、呼吸器、消化器、脳に疾患がある人は行わない
④それぞれの公式の効果が感じられるまで次の公式に進まない
⑤練習量が少なくても毎日行うこと
⑥訓練後は消去動作を必ず行うこと
私がとくに感じたことが①環境を整えることの重要性です。環境って何?については下記の2点の重要性を感じました。
①コツをつかむまでは気が散らない場所で行う
私の場合は1日2~3回行っていて、1回につき4~5分行います。
基本は朝・昼・晩の3回行います。
朝 通勤前の車の中
昼 昼食後の会社の営業車の中(事務職などの方であれば自家用車で)
夜 入浴後(最初は家族の居ない別室で行いました)
会社の人に車の中でいつも何してるの?と聞かれた場合は、「少し仮眠をとっているんですよ。」と言っておけばいいですよ。人の目は自分が気にするほど人はあなたの事を気にしていませんから。仮に会社の人がお昼休み中に車の中で目を閉じていても、何しているのかな?くらいしか思わないですし・・・
②身体に感じる雑念を取り除いておく
空腹感や満腹感があるときは行わない。トイレが気になるのであれば用を済ませておきます。
訓練中に『あ~腹へった』『トイレした~い』など身体に感じる生理現象を少しでも無くしておくことが大切です。トイレに行きたい状態で訓練法を行ってみたこともありますが、とっても気が散ります(笑)
ここからが本題
私自身、いざ訓練法を行ってみても、落ち着かないまま5分が経過してしまい、背景公式でさえも出来ている実感が得られないまま日にちが経っていくだけでした。5分の短さに焦りさえ感じる始末・・・
これでは上達していかない
自分には向いていないかな
これではいけない!と考えているときに、ふと閃いたのです。
自立訓練法を行う前に呼吸法を取り入れてみました
背景公式は気持ちがとっても落ち着いていることを感じていくことが大切です。ならば、自立訓練法を行う前に、少しでも自分の気持ちが落ち着いた状態にする必要があるのではないか?ということを考えた時に思いついたことが呼吸法を取り入れてみることでした。
呼吸法を取り入れてみよう!
呼吸法と一言でいっても様々な呼吸法が世の中にはあります。私が行っている呼吸法は・・・
4・7・8呼吸法
セロトニンを増やすこともできる呼吸法でもあります。※セロトニンとはストレスを抑えるのに重要な働きをする体内物質のことです。
4秒かけて鼻から息を取り入れる(腹式・胸式呼吸どちらでも)
7秒の間、息をとめる
8秒かけて口から息をゆっくり吐き出す
さらにオリジナルで8秒かけて口から息を吐き出しているときに爪もみも同時に行っています。
爪もみには副交感神経を働かせる効果が期待できるので同時に行っています。
※薬指は交換神経が働いているので薬指には爪もみを行いません※
この呼吸法を右手4指・左手4指分の8回行うようにしました。そうすると不思議と気持ちが落ち着いてきました。自分の意識で気持ちを落ち着かせるのに呼吸法が私には合っていました。
自立訓練法を続けてみて感じた効果について
呼吸法を部活前の準備運動のような感覚で取り入れることで、最初の背景公式の感覚が掴めるようになってきました。
最初の2ヶ月は背景公式~第2公式までをじっくりと行うようにしました。でね、その期間中に気付いたことがあるんですよ。これがコツにあたる一番重要なことなんです。それは・・・
①背景公式を思うタイミング
②第1~2公式の気持ちを意識をしすぎない
自立訓練法を行っているときの呼吸の仕方ですが、息を鼻から吸って口から吐くを私は基本にしています。
①背景公式を思うタイミングって本とか読んでも意外と書いてなかったりしたんですね。いろんなタイミングを試してみたのですが、一番落ち着いたのが鼻から息を吸うときでした。鼻から息を吸う時に『気持ちがとっても落ち着いている~』と思い、口から吐くときに『右手がとっても重た~い』『左手がとっても重た~い』というふうに行うと気持ちがリラックスしていくのが感じられました。なので、このタイミングで訓練法を続けることにしました。
②第1~2公式の気持ちを意識しすぎないについても訓練中に『あれ?』と気付いたことがありました。
重た~い・重た~いと意識しているうちに腕の力で下に押し付けて重くしているというリラックスとは逆の力みを生んでしまう ということがあり、この壁が中々抜け出せなかったのです。
そこで私は次のことを意識するようにしました。
呼吸を使ってリラックスすることに集中する
公式のことを思うだけで必要以上に意識するのをやめてみる
とくに吐くときに身体の力を抜いて脱力感を感じることを大切にしました。その中で『右手が重たくな~る』と思うだけであとは感覚が得られるまで待つようにしたのです。
訓練法においての心構えの基本としている
「虚心」「持念」「留意」
を改めて思いなおしたのです。行っているうちに基本を忘れている自分がいたりと、訓練も続けていくと奥が深くて面白いなと思えるようにもなってきました。
虚心・・・力んだり意識しすぎず、ぼんやりと公式に心をかたむけること
持念・・・これが面白いのですが、感覚としては自分で意識せずに他人に言われているような感覚でいること
留意・・・虚心を意識しながら公式が示す身体部位に心を置くこと
心を受身にするという感覚がとても大切なんだなと痛感したのです。最後にまとめとして継続して感じられた効果についてお伝えします。
まとめ
リラックスをして
公式の内容を思い
身体が感じてくれるのをただ待つ
この自立訓練法を始めて3ヶ月くらい経った頃から感覚が掴めてきて、最後の公式まで5分以内で、できるようになりました。続けていると不思議なことに5分の感覚も掴めてくるようになってくるんですよ。
100均で購入したタイマーを使っているのですが、5分経過していない状態でも、そろそろ5分かな?と消去動作を行ってからタイマーを見ると大体、あと10秒前とかそんな感じになってくるんですよ。
身体が5分の感覚を記憶していくんです
効果としては、気持ちが安定している時間が増えました。劇的に改善するというよりは、穏やかに穏やかに右肩上がりで気持ちが安定していく感じです。
こうして記事にしている今でも自立訓練法は毎日行っています。1日1回5分しか行わないときもありますが、とにかく毎日続けています。今は朝・晩の1日2回だけが多く、日常生活でストレスを強く感じた時に都度行う感じです。
人間で大切なのは心です。
幸せはいつも自分のこころが決める
という有名な言葉はいつも自分の心の片隅に置いてあります。どうかこの記事をご覧になられたあなた様にも近い将来、心が安定してきて、穏やかな日々を過ごせるようにと、心より願っております。
ごらん頂き、ありがとうございました。
コメント
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